昨日は「月光」の下敷きにした文章を紹介したけど、今日は、「夢を見た。桜舞う、月の夜に。」の下敷きにした文章を。
こちらももう10年以上前に書いたものなので、若さが出てるね。
1題目の歌詞はこのページのトップバナーの中に入ってます。
2題目の歌詞はこの文章から。
こちらもとても短い文章です。20秒で読めます(笑)
【最初の冬、最後の春】
その年の冬は、とても寒い日が多かったけど、天気の良い日には、僕たちは良く散歩をした。
僕達は、いつもの公園を突っ切って、そのあたりをぶらぶら歩き写真を撮ったり、ベンチに腰掛けて、暖かい缶コーヒーを分け合いながら、野良猫の毛並みの差について議論したりした。
僕はいつもの通りくだらない冗談を言い、彼女はいつもの通り笑っていた。
「そういうくだらないところが好き。」
僕は、彼女の笑顔を見て、とても暖かな気持ちになった。
ニュースは、その年の降雪量は記録的なものだったことを伝えていた。
公園では、花も少し咲き始めていた。
僕たちの最初の冬はそうやって、ゆっくりと最後の春へと向かっていた。