あれは、僕が大学に入りたてで、まだ「学生寮」に入っ
当時、寮にはエアコンがなく、夏になると暑すぎる部屋を
寮には、話の合う1つ上の先輩がいたんだが(といっても
ある日、その先輩が僕の部屋に来て「もらったビールが
僕はそのビールを、その先輩はギターを持って、屋上に
寮の真っ暗な屋上に吹く風は、夏の湿度をたっぷり含んで
その風に当たりながら、例によって、2人で黙ってビール
その先輩は、しばらくポロポロとギターを弾いていたのだ
「『Isolation』って曲知ってるか?」
「ジョンの曲ですよね。もちろん知ってますよ。」
「オレ、好きなんだよね。」
そういって、ギターを弾きながら、「Isolation
音痴の僕からしても、ちょっと音程が外れているよね、
先輩が歌う Isolation が終わっても、二人ともずっと黙ったまま、生ぬるくなっ
屋上を吹く風は相変わらず暑く湿気を含んでいた。遠近感
夏の入り口。真っ暗な田舎の大学の学生寮の屋上は、
・・・
夕方、居酒屋でひとりで飲んだ帰り、このことを思い出し
僕等の中の、あの isolate された屋上に吹く風は、今も暑く湿ったままだ。
(文章と写真は無関係です。)